落語というもの
わたし、落語が好きなんです。
けど、なんだろう、難しく考える人っていますよね
落語?いやぁなんか年寄り臭いし難しそう、みたいな感じに思われています。
ただ、落語なんて馬鹿でもわかるのですよ。
年寄り臭いのは、多分演者自体が爺が多いからではないでしょうかね。
でもね、落語って不思議なもんで、
あれだけ、情報量が少ない芸能なのに、イメージがしやすいんです。
これほんとに不思議なもんで。
どんな景色になるかは客に任せるのが落語なのです。
演者は、必要最低限の情報を出してあげるだけ。
だから、すごく頭が働く。
幽霊もので「へっつい幽霊」なんて演目があるんですが、
今なんて「へっついってなぁに?」ってなるんですよ。
わたしも、桂文珍師匠の独演会で初めて聞いて、「いやいや、へっついってなんやねん」って思ってたら、師匠が途中で「へっつい」の説明を挟んでくるわけです。
その途中から挟むだけで、一気に物語が分かっていく。
これ、すごく不思議なことで、まさにガッテン!みたいになるんです。
もちろん、その演目が出た当時は、その時代のものだから、説明なんて必要がないんです。
けど、時代が移るとともに、消えていく言葉がある。
古典落語は、それを今もなお受け継いでいる。
落語なんて、本当に、馬鹿でもわかります。
むしろ馬鹿なほうが分かるかもしれない。
歴史に出てくる人物もいたりして、歴史好きにも落語好きな方はいます。
演目で「ねずみ」という、大変有名なものがあります。
あれに出てくるのが、左甚五郎。
わたしは歴史が大の苦手でございますから、落語を通して覚えました。
頭の中でイメージができる人ならば、落語は聞くだけで楽しいものなんです。